突然、パソコンが起動できなくなったんだけど・・・というトラブルの電話があった。
昨日まで全く問題なく動いていたパソコンが、今日起動したら、ブルースクリーンになって起動することができなくなったというのである。
とりあえず、パソコン教室まで持ってきてもらって症状を見ることになった。
一般にブルースクリーンになるということは、メモリの不具合が考えられたので、メモリをチェックしてみたが異常はなかった。もちろん、セーフモードで起動したりもしたが、即ブルースクリーンになってしまった。
ちなみに、このパソコンはDELL INSPIRON 1545という名前のノートパソコンで、OSはWindows XPである。
OSのリカバリーディスクからの修復モードで、システムの復元を試みたが、それもだめだった。
結局しょうがないので、ハードディスクを取り出して、データのバックアップを行った後に、リカバリーを行い、その後データを元の場所に戻すことで問題を解決した。
しかし、なぜこのようなトラブルになってしまったのか?ということについては、全くわからなかった。
ところが、今日14日の夕方になってソースネクストからウイルスセキュリティーZeroのアップデートが原因でパソコンが起動できなくなるトラブルが、4月10日(土)から発生しているという報告メールを受け取った。
このメールでは、その原因と対策方法がわかったので報告するということであったので、実際にサポートのページに言ってみると、以下のようなことが書かれていた。
「インテル製のチップセットを搭載し、Intel Matrix Storage Manager driver(AHCI driver) のごく一部のバージョンを使用しているパソコンを、2010年4月10日(土)14:00頃~12日(月)14:00頃に使用し、かつ、12日(月)24:00頃までにWindowsをシャットダウンした場合にのみ起こります。
該当期間中の自動アップデート後、ウイルスセキュリティが上記のドライバをウイルスとして誤検知し、次回起動時にドライバを削除するために、パソコンが起動しなくなります。」
つまり、4月10日の14時ごろに新しく配布されたウイルス定義ファイルにより、Intel Matrix Storage Managerのドライバーをウイルスであると誤認することで、このドライバを削除してしまい、そのためにパソコンが起動できなくなるということらしい。
このIntel Matrix Storage ManagerのドライバはSATAのハードディスクを認識するためのドライバであり、このドライバが存在しないと、起動時にハードディスクが認識されず起動がストップしてしまうことになってしまうのである。
今回、トラブルで持ち込まれたDELLのノートパソコンの起動トラブルは、まさにウイルスセキュリティZeroの間違ったウイルス定義ファイルのために生じたものであったようだ。
ソースネクストでは、この問題に対するサポートページから修復用のCD-ROM作成用ISOファイルをダウンロードできるようにしているが、すでにパソコンが起動していない人にとっては、これらの情報は手に入れるすべもないわけで、日本国中で同じ様なトラブルで悩んでいる人が増えているのではと心配される。
ちなみに、この情報ページは以下のページになります。
http://www.sourcenext.com/vs/support/deal_100413/?i=sec_sup_top
前々から思っていたことだが、ウイルスセキュリティーZeroというソフトのサポート体制にはかなり問題があると思う。本来であれば4月10日の時点で問題が発生しているのであれば、できるだけ早く何らかの情報をユーザーにメールで送付すべきであると思うのだ。
また、ソフトの不具合などをいち早く報告することができるようなページも昔から用意されておらず、ほとんどの問題をQ&Aだけの情報で探さなければならない点は、どうみても不親切といわざるを得ない。
更新料0円でシェアを伸ばしてきたウイルス対策ソフトではあるが、近年さまざまな問題が報告されており、ソフトとしての問題点を指摘する声も多くなってきているようだ。
今回のトラブルは一部のパソコンだけの問題かもしれないが、対応や報告に4日以上もかかるようなサポート体制は、かなり問題であり、ソースネクストという会社の信頼性が大きく損なわれたことは間違いない。
今回の事件で、ウイルスセキュリティーZeroをやめて、他のソフトに移行する人も増えてくるのではないかと思うのである。
もし、ここ数日の中でパソコンが起動できなくなったという人が周りにいた場合は、是非この情報を教えてあげてほしいと思います。