「パソコンの調子がおかしい」ということでよく修理を依頼されますが、特にデスクトップパソコンの場合、筐体をあけて内部を見ると、驚くべき量のホコリの山にびっくりすることがあります。
このホコリの中でマザーボードが正常に動いていたことの方が奇跡的!!と思うことも多々あります。
ということで、パソコンの修理の第1ステップは「お掃除」から始まることが多いのです。
用意するのは、掃除機とOAウェットティッシュ(アルコール分が入っているもの、通常のウェットティッシュではだめ)を用意します。また、エアーブローのスプレーなどがあるとなお良いです。
デスクトップパソコンの筐体を開けるのは、メーカーによっては大変なこともありますが、最近はワンタッチで開くものも増えてきました。説明書などを参考に開けてみてください。
(1)お掃除の最初は、CPUファンまわりの掃除です。まず掃除機でファンについた大きなホコリを吸い取ります。それから、CPUファンのネジを外して、OAウェットティッシュでホコリを拭き取ります。CPUファンは、メーカーによっては取り外しが難しいものもありますが、ネジが付いている場合は、4本のネジを緩めるとファンが外れてきます。(無理に取り外して壊さないようにしてください)
(2)次に、筐体ファンの掃除です。これも掃除機で大きなホコリを吸い取ったら、ウェットティッシュで拭きます。また、電源のファンもいっしょに掃除しましょう。
(3)次は、マザーボード全体のホコリを取ります。さすがにウェットティッシュは使えないので、掃除機の吸い取り口をできるだけボードに近づけて触れないようにしながら、ホコリを吸い取ります。
(4)次は、メモリの掃除です。メモリを外して差込部分のホコリを取ります。メモリの差込部分の金属部分についても、OAウェットティッシュで軽くこすって汚れをとります。メモリの取り付けは、つけたりはずしたりを何度か行うことで、接触がよくなります。
(5)次はデスクトップパソコンの筐体のまわりの端子の掃除です。特にUSB端子やLAN端子などは、以外とホコリまみれになっていることが多いのです。たまにLAN端子の接触不良でインターネットができないということもありますが、これはLAN端子の中にある金属部分が汚れて酸化皮膜ができているためです。このような場合は、OAウェットティッシュを綿棒に巻いて、金属部分を掃除するといいようです。
(6)最後に筐体の金属やプラスチック部分についても汚れを拭き取ります。
(7)エアーブローのスプレーを持っている方は、パソコン本体を家の外の風通しのいい所までもっていき、エアーブローで汚れを吹き飛ばしてください。
(8)キーボードやマウスのホコリや汚れも、エアーブローで掃除すると簡単です。エアーブローを持っていない人は、キーボードを反対向きにして、手でトントンと叩くと、キーボードの中のゴミが沢山落ちてきます。
(9)さらにキーボードには、その人の指の汚れがいっぱい付いているので、OAウェットティッシュでキーの一つ一つをこすって掃除します。
ここまで掃除すると、達成感はありますが、掃除だけでほぼ1時間近くかかっています。
たかが掃除といってバカにする人がいますが、実のところCPUまわりの掃除をすることで、CPUの冷却効果があがり、パソコンが安定して動くようになります。
また、USBメモリの中にホコリがたまると、USB機器のショートがおこることで、USB端子が故障する原因にもなります。
そして何よりも、マザーボード上のホコリによりショートが起こると、電源がクラッシュしてパソコンが全く動かない状態になることさえあるのです。
そういう意味で、デスクトップパソコンをもっている人は1年に1回くらいは筐体をあけて大掃除を行うようにしてください。
会社などのパソコンは、特にメンテナンスがいい加減になっていることが多いので、職場全体で掃除の日を作って全員でパソコンの掃除をするのもいいかもしれませんね。