(1)そろそろと思った時が、バックアップの時です
パソコンを使っていると、そろそろデータをどこかにバックアップしていたほうがいいな~と思う事があります。
大切なデータをバックアップしていなかったために、突然パソコンが起動しなくなって、途方に暮れてしまうこともあります。
逆に、きちんとバックアップしていたハードディスクが突然壊れてしまい、折角きちんとしていたのになぜ壊れてしまうの?と悲しくなることもあります。
また、定期的に自分のパソコンの中から必要なデータをバックアップしたいと思っていても、作業がめんどくさかったり、ファイルやフォルダがたくさんあるとバックアップ容量も沢山必要で、管理が大変だと思っている人も少なくないと思います。
私も長年パソコン教室を運営しておりまして、生徒さんにはバックアップは大切だよ、と常に言っている身なのですが、先日長年使っていた外付USBハードディスクが壊れてしまって、あやうく大切なデータを失いかけました。
このUSBハードディスクはかれこれ4年ほど使っていたもので、常時パソコンに接続して使っていたものです。通常の使い方では、データの保存だけなので、必要があるときにデータを読み出したり、データを変更して保存したりという操作を行っていただけなのです。
ところが、最近このハードディスクもそろそろバックアップしておいた方がいいだろうということで、別のハードディスクにファイルやフォルダをまとめてコピーしたのですが、なぜか途中でフリーズして、コピーが中断してしまいました。
何度か、この操作をやっていると症状がだんだん悪くなって、最後にはハードディスクが認識できない状態になってしまいました。
これまでは、1つ1つのファイルにアクセスしただけだったので問題なかったのですが、まとめてコピーなどの操作をすると時間がかかったり、途中でパソコンが固まってしまうような症状になった場合には、確実にハードディスクが故障しているようです。
私もこのことに気が付くのが遅れてしまい、結局、中にあったデータを救出することができませんでした。しかし幸いなことに、昔、そのハードディスクを一度バックアップしていたことがあって、一番大切なデータだけは、確保することができました。
このような反省から、皆さんにもバックアップの大切さをわかっていただきたいと思い、このブログを書いている次第です。
(2)ハードディスクの寿命は3年だと考えてください
ハードディスクというものは、やはり耐久時間というものがあります。めったに使用しないものは別として、常時パソコンに接続した状態で使っているものや、頻繁に異なるパソコンに接続して使うようなケースでは、その寿命を3年と見積もっておいたほうがよさそうです。
最近では、ハードディスクの代わりにSSDなどを搭載したパソコンも増えてきていますが、SSDというメモリでさえ、連続して使った場合には5年くらいが寿命だと言われています。
(3)ハードディスクのフォーマットはNTFSにすること
以前の外付けUSBハードディスクは、FATフォーマットが主流だったのですが、最近はトラブルを軽減するためにNTFSフォーマットが主流になってきています。
もともと、1つのハードディスクをWindowsとMacの両方で使うことを想定してFATフォーマットにしているだけで、ファイルの書き込みの安定性や、大きなファイルの保存のためには、FATフォーマットよりもNTFSフォーマットの方が優れています。
最近は、Mac側からもNTFSフォーマットに対して安定して書き込めるようにするMac用アプリがUSBハードディスクに付属している場合もあり、標準フォーマットはNTFSになってきているようです。
(4)バックアップソフトは、差分バックアップができるソフトを選ぶ
バックアップというと、単にコピーして、別のハードディスクに貼り付ければいいと考えている方も多いと思います。しかし、そのような作業では定期的に行うことを忘れてしまいますし、同じファイルが何度もコピーされて、容量が増えてしまう結果になってしまいます。
そこで、バックアップにはやはりバックアップ専用のソフトを使用することが望ましいのです。
ここで使うソフトは、通常のバックアップソフトではなく、差分バックアップができるソフトを使うようにしてください。
差分バックアップというのは、変更や追加があったファイルやフォルダのみを上書きや追加するもので、変化がなかったファイルやフォルダはそのままにするというバックアップ方法です。これにより、バックアップの作業時間が短縮され、日常の中で簡単にバックアップすることができるようになります。
さらに、差分バックアップソフトには、「ミラー」という設定もあり、バックアップ元のフォルダやファイル構成と全く同じようにバックアップ先も構成するということができます。この場合は、バックアップ元からファイルが削除されれば、バックアップ先からもそのファイルを削除して、バックアップ元とバックアップ先を全く同じものにすることができます。
(5)最強のバックアップソフト「Backup」
差分バックアップソフトとして以前は、「BunBackup」というソフトをこのブログでもご紹介したことがあります。私自身も長いこと「BunBackup」を使っていたのですが、最近、このソフトよりも信頼性が高く、安定して動作する「Backup」というソフトに出会いました。
この「Backup」というソフトは、日本人の曽田純さんというプログラマーによって開発されたものです。曽田さんは、あの有名な「FFFTP」の開発者でもあり、この業界では知らない人はいません。私もこの「Backup」というソフトを使って、とても感動しましたのでご紹介したいと思います。
「Backup」
http://www2.biglobe.ne.jp/sota/backup.html
上記ページ内の「最新版(インストーラ付)はこちら。」の下にあるファイル名の横の「ダウンロード開始」ボタンからダウンロードできます。
英語版は、http://www2.biglobe.ne.jp/sota/backup-e.html のページを見てください。
(5)無料のソフト「Backup」の特徴とは?
このソフトの特徴です。
(1)バックアップしたいフォルダは、バックアップ元に追加していきます。(複数登録が可能です)
(2)バックアップ先は、1か所だけでなく、複数個所を登録できます。
(3)バックアップ元の中でも、バックアップしたくないフォルダを登録できます。
(4)ミラー設定が可能です。
(5)ミラー設定時に、バックアップ元から削除されるファイルを別フォルダに移動できます。
(6)バックアップ時にファイルの属性の違いを無視することができます。(読取専用など)
(7)バックアップ時に生じたエラーを無視して処理を続行させることができます。
(8)一定時間間隔でバックアップを繰り返すことができます。
(9)バックアップ終了時の操作を選択できます。(シャットダウンなど)
私個人がとても重宝した機能は(5)の機能です。たとえば、バックアップ元から削除されても、バックアップ先からは削除されずに他のフォルダに移動してくれる機能はとても安全性が高いと思います。
さらに、以外と大切な機能が(6)の属性の違いを無視するという機能です。ファイルはコピーされるときに属性を保持していますが、その属性が原因でコピーが出来なかったり、上書きができなかったりすることがエラーとして出てくるからです。
つまり、完全にすべてをコピーしてバックアップするためには、属性の違いを無視することが必須となります。
また、(7)のエラーを無視して処理を続行する機能も重要です。大容量のデータのバックアップでは、途中で止まってしまうと再び最初からやり直しになって、止まった原因の究明をしないとバックアップがとれないからです。
ちなみに、このソフトでは、終了後にプログラムを終了しなければ、ログが残りしますので、そのログからエラーがあったファイルを特定して対処することもできます。

いずれにしても、「パソコン→USBハード」「パソコン→LANハード」「LANハード→USBハード」「USBハード→LANハード」など、あらゆる方向でバックアップができますので、とてもありがたいソフトです。
(6)USBハードのセキュリティロックは使ってはいけない
最近のUSBハードディスクには、パスワードを入力しないと中のファイルやフォルダにアクセスできないという機能を最初にインストールさせてくるものがあります。(これは、USBハード内にあるソフトウェアで設定されます)
このようなソフトでのセキュリティロックをかけられたハードディスクでは、当然のことながら、バックアップ先に指定することもできませんし、パスワードを忘れたりしたら、それだけで中のファイルに永遠にアクセスできなくなってしまいます。
このセキュリティロックの怖いのは、このセキュリティロックをソフト上から解除すると、中のデータはすべて削除されてしまうことです。
このような意味から、絶対にセキュリティロックをUSBハードディスクにかけないようにしてください。
(7)WindowsとMacの両方からのディスクアクセスは危険
最近は、WindowsおよびMacの両方で使えるハードディスクも増えてきてはいますが、基本的にWindowsとMacの両方で交互に使うような使い方をすると、USBハードディスクが故障することがあります。
これは、お互いのファイルシステムが異なることや、ファイル名の違いなどから、USBハード内にエラーが生じる可能性が高いためです。
もし、WindowsとMacの両方でデータを共有して使いたい場合は、クラウドツールで共有を行うか、LANハード(NAS)などを利用することをお勧めします。クラウドツールでは、DropBoxやOneDriveなどがお勧めです。